昇級審査を受けるまで(昇級の仕方)

昇級について

昇級とは空手技術の向上はもちろん武道教育を通して心の成長を見極め、レベルに応じて級を認定することです。

級が上がることによって帯の色が変わることもあり、やる気が出たり、自信が付くなど良い面がたくさんありますが、同時に昇級すること自体が目的になり、空手技術を深めたり、武道教育の本来の意味である「心の成長=人格形成」という面がおろそかになり、表面的な条件をクリアすることだけに没頭するといった悪い面もあります。

武道は誰かと比べたり昇級の速さを競うものではなく、自分自身を高めて行くことを目的としています。
特に少年部の保護者の方は他の習い事とは違い、級が上がること自体が目的ではないということをお子様に伝えてください。たとえ審査を受けられなくてもガッカリすることなくアドバイスされたことをしっかりと稽古をしていくことが大切で「もっとうまくなるチャンスが増えた」と前向きにとらえていただくようお願いします。
体の成長と同じように心の成長も個人差があります。また、稽古回数もそれぞれの環境によって違います。いろいろな要因により昇級するタイミングも人それぞれです。

本人の内面なり・外面なり何らかの形で変化が起きた時、すなわち本人が変わるときに帯の色も変わるものです。長い目で成長を見守ってください。

他人と比べず自分自身をしっかりと持つことが自立への第一歩ということを念頭に昇級を考えてください。
大切なのは武道(精神)を自分の生活の一部とし、末長く(頻度は個人のペースで)道場で稽古を続けることです。

昇級システム

入門時は白帯から始まり、昇級審査に合格するごとに10級から1級へと昇級していきます。
そして1級から昇段審査に合格すると初段になります。
昇級審査(10級~2級)は年に4回あり、そのうち2回は昇段審査(1級も含む)も行います。

昇級審査を受けるまで

昇級審査を受けるためには指導員の受審許可が必要になります。

まず、道場内に貼ってある受審資格で条件が整っているか確認してください。

始めは入門時にお渡しした10級審査チェックリストを使い、次回以降は審査合格時にお渡しする次の級のチェックリストを使用します。
(※チェックリストは無くさないよう、名前を記入して常に携帯してください。)

チェックリストには審査内容がすべて記されていますので内容を把握してください。
そしてその内容に従って指導員が習熟度を見ていきます。
原則、一日一項目を指導員とのマンツーマンで行います。個人指導でよりきめ細かいアドバイスをしますので、同じ項目は前回アドバイスした箇所を稽古して改善させてから指導員のところに来るようにしてください。
一つの項目がレベルに達すると次の項目をチェックします。
場合によってはチェック済みの項目を何回か繰り返すこともあります。
こうしてチェックリストの内容がある程度のレベルに達したと判断し、且つ、受審資格が整った場合、受審を許可します。

幼年・少年のチェックリストには技術の部分のチェック項目と稽古態度を含む普段の行いについてのチェック項目もあります。技術の部分ではやり方は正確にできていても空手の技として身体的に不完全な場合(体の成長が技に追い付いていないためスピードや力強さが出なかったり立ち方が安定しないなど)や、技術が達成しても稽古態度の部分が達成せずに時間がかかる場合があります。特に幼年・低学年は年齢的にまだ心身ともに未成熟のため、青帯、または黄帯以上の審査には時間がかかります。
これは空手は武道であり技術を磨くだけではなく人格形成の礎となる部分を磨いていくことも必要だと考えているためですのでご理解いただき、ご協力をお願いします。

※少年部の昇級審査会では道場での普段の様子をお伝えしたり、ご家庭や学校での様子を教えて頂いたりする機会ですので保護者の方の参観をお願いしています。
審査を通じてお子様の成長や緊張している姿などをご覧頂くこともできますので無理のない範囲で可能な限り来て頂くようお願いします。