Good-by Amon. See you again









上野毛道場が出来て間もない去年の6月、アメリカからやってきて入会したアモン。
それまで運動という運動をしたことがないということで、始めは中々、日本語も理解できず、何をしていいか分からず稽古についていくのもやっとでした。
しかし、持ち前の人懐っこさからすぐにみんなとも仲良くなり人気者になりました。
本当に子どもらしい子どもで無邪気に何でもやってみるということで入会ひと月余りで夏合宿にも参加しました。本当に日本語が良くわからなかったので不安でしたが、皆にもすぐに馴染み、初めて会ったにもかかわらず大澤佳心先生から特に可愛がられその後も会うたびに「ターザン(佳心先生がつけたアモンの愛称です。)元気ですか?」と気にかけてくれていました。
全日本大会、世界ウェイト制と佳心先生の応援にもみんなで一緒に行きました。
稽古も楽しくやって入門半年もたたずに支部内交流試合にもチャレンジしてアグレッシブな戦いで「せたひが賞(敢闘賞)」を受賞しました。2回目のチャレンジでは「第4位」に輝きました。
クリスマス会では可愛らしいサンタの仮装で来て盛り上げてくれたり、新年会では板割りに初挑戦で見事に手刀で板を割りました。
この一年でものすごく成長しました。空手ももちろん強く、上手くなりましたが、それ以上に人に対する思いやりや自分自身で考える力、基本的なあいさつなどの礼儀や日常習慣が見違えるほどです。
いつも明るくみんなの人気者のアモン。学校のお別れ会でもみんな別れを惜しんで泣いた子(特に女の子)も多くいたそうです。
道場でもみんなで色紙に寄せ書きをするとあっという間に色紙3枚に書ききれなくなり裏にまでメッセージを書くほどに。彼の人気を物語っています。
さて、家庭の事情(最初から1年ほどの予定)でアメリカに帰ることになったアモン。極真の慣例に従って最後は上野毛道場では初となる出席者全員とのスパーリングで手合わせ。スパーリング後に一人一人と握手をしてお別れの挨拶をしました。
稽古が終わってからも名残惜しそうにアモンと遊んでる子が多くいました。
また来年の夏休みには帰ってくるそうなのでそれまでのお別れになりますが、本当にアモンがいたおかげで子どもたちの雰囲気が良くムードメーカーとして活躍してくれました。帯が上がってからは先輩としての自覚も芽生え後輩にやさしく教えてくれたり、とても嬉しかったです。
彼がいなくなるのは寂しいですがまた彼に会える日を楽しみに待っています。

もちろんアモンだけでなくいろいろな事情で道場を去らなくてはならない子もいますが、思いは同じです。今日も稽古の後、辞めていった子が塾帰りに遊びに来てくれました。
道場で仲間とたくさん遊んでとても楽しかったみたいで「また、空手やりたいなぁ」としみじみと言っていました。「やればいいじゃないか」と言うと「塾や習い事、宿題が忙しくて・・・」本当、今の子は忙しすぎます。でも週に1回でも2週に1回でも来れるだけくればいいんです。
そんな子がまた戻ってこれるような道場でありたいです。